[2007-11-26]メールマガジン第7号

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STTメールマガジン  2007年11月26日号
発信元 シリコン・テスト・テクノロジーズ株式会社
http://www.silicontest.jp/ 
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テスト技術略語・ミニ解説集 http://www.silicontest.jp/abbreviations
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ENIAC外観:http://www.silicontest.jp/museum/
世界初のコンピュータ.真空管はロシア製だとか.
写真にあるラックで全体の1/40とのこと.
Computer History Museum所蔵:http://www.computerhistory.org/
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--- 目次 -----------------------------------------------------------
●【ビジネスニュース】半導体/FPD製造装置市場予測,薄型テレビ
●【最新技術動向】ICCAD,LSITS,システムLSI,デザインガイア
●【チュートリアル連載記事】故障解析技術講座(第5回)佐藤康夫
●【経済指標】SEAJ BBレシオ
●【編集後記】


---【ビジネスニュース】半導体/FPD製造装置市場予測 ------------------
半導体産業新聞2007年11月7日号
SEAJによる07年度から09年度半導体/FPD製造装置市場の予測が掲載された.
これによると,日本製装置(半導体+FPD)の販売高は07年から09年の3年間
でCAGR7.9%成長する.日本市場の販売高に関しては,07年度に-7.9%,3年間
ではCAGR0.2%成長と横ばいを予測している.詳しくは同新聞を参照されたい.
ホームページは以下の通りである.
http://www.semicon-news.co.jp/
CAGR(Compound Average Growth Rate):年平均成長率または年複利成長率


---【ビジネスニュース】薄型テレビ ----------------------------------
2007年の世界における薄型テレビの売上高が1000億米ドルを上回る見通しで
ある.液晶テレビとPDPテレビを合計した売上高が,対前年比17%増の1049
億米ドルに達する見込みで出荷台数は7370万台と予測される.現在の薄型テ
レビの家庭への普及率は,米国で41%,欧州で29%である.薄型テレビの販
売台数は今後さらに伸び,2012年には1億8000万台に達するとみる.

現在,薄型テレビといえばLCDテレビが主流であるがテレビメーカ各社新た
な製品の開発に注力している.10月に幕張で行われたCEATECではソニーが有
機ELテレビを展示した.有機ELテレビはLCDテレビに比べて薄いこと(厚さ
3mm),LCDは発光にバックライトが必要だが,有機ELは素子自体が発光し画
質に優位性があること,低消費電力であることなどが特長であり魅力的な技
術である.ただ,パネルの寿命が現状短く,これが最大の技術課題となって
いる.

今後成長する薄型テレビおよびそれを支えるパネルビジネスでは各メーカの
競争が今後とも熾烈であるが,薄型パネルビジネスの特長はほとんどのメー
カとパネル部品・部材のメーカが日本,韓国,台湾の3つの国に存在するこ
とである.薄型パネルビジネスは今や半導体産業と同様の巨大産業となって
いるがその産業がほとんどこの3ケ国で握られていることは半導体産業と比
べても驚くべき事実である.

新しい技術が今後とも開発されるだろうがこの3ケ国が中心に産業が発展し
ていくのは間違いないであろう.
(某)


---【最新技術動向】ICCAD -------------------------------------------
11月5日から11月8日,アメリカ合衆国サンフランシスコ州サンノゼの
DoubleTree Hotel San Joseにおいて,ICCAD2007が開催された.

11月5日のチュートリアルへの参加者は多くなかったものの,11月6日から11
月8日のレギュラーセッションでは多いときには300名以上と思えるほどの参
加者で会場がにぎわっていた.また,レギュラーセッション以外では,
Amdahl社の創立者であるGene Amdahl氏の講演をはじめ,さまざまなパネル
セッションがあり,多彩な内容であった.

特に基調講演では,SRC(Semiconductor Research Corporation)のJeff 
Welser氏によるCMOSに代わる新しいデバイスについての講演があり,さらに
同日の夕方に行われた“Panel:ICCAD Idol”題された,各分野の著名人がそ
の分野の重要性を主張し,聴衆からの賛同を最も多く得た人を“ICCAD Idol
”として認定するというパネルセッションにおいても,ポストCMOSの必要性
を主張したIntel社のShekhar Borkar氏が聴衆の賛同をもっとも得るなど,
ポストCMOSへの期待の高まりを感じさせる内容であった.ちなみに,同じパ
ネルセッションでDFMとDFTの重要性を主張したAMD社のLuigi Capodieci氏へ
の賛同はもっとも少なかった.

テストに関連するセッションは11月7日に2セッション連続であり,合計8件
の発表があった.
“Improving Delay Test Generation and Performance Predictors”
と題されたセッションでは,チップのパフォーマンスの予測および検証に関
する発表が2件,ディレイテストに関する発表が2件であった.

“Test Compression and Test Power”
と題されたセッションではテストデータの圧縮に関する発表が3件,テスト
時の電力を考慮したテストパターン生成の発表が1件であった.8件発表のう
ち,
“Variation-Aware Performance Verification Using At-Speed 
Structural Test And Statistical Timing”
と題されたIBM社のVikram Iyengar氏の発表には,テストのセッションでは
最も多くの聴衆が集まり,関心を集めていた.発表内容はAt-speedの構造テ
ストと統計的なタイミング情報を用いて,ばらつきを考慮したパフォーマン
ス検証を行うというもので,130nmおよび90nmのテクノロジで設計された,
回路規模が数十Mゲート,周波数も数百MHzであるような複数のハイエンドな
チップに対する適用結果が示された.本発表はテストとは直接関係する内容
ではなかったものの,ディレイテストにおいてもばらつきを考慮した手法の
必要性を感じさせる内容であった.

http://www.iccad.com/
会場写真: http://www.silicontest.jp/mailmagazine/071126/fig2.htm

(株式会社半導体理工学研究センター 福永昌勉)


---【最新技術動向】LSIテスティング・シンポジウム報告 ---------------
LSIテスティング学会主催(於:千里ライフサイエンスセンター)[11/7~9]

参加者数は昨年の435名から447名に増えた.3日間朝9時から夕方5時,6時ま
で発表が目白押しと,相変わらずの盛会だった.もともと電子線による解析
から始まった学会のため,電子線を使った故障解析,故障診断,計測,試験
が主体の発表が中心で,装置関連発表,展示もその方面のみである.

本年度から「チュートリアル」を取り入れたとのことで,その最初の2件が
以下の講演だった.
 ・インラインCD計測技術[日立ハイテクノロジーズ(株) 池野昌彦氏]
 ・進化するTEM技術[日本電子(株) 須賀三雄氏]
いずれも,平易にCD計測,TEMの原理や現状について説明されており,電子
回路専門としては,その他の発表に前に聞きたい講演であった.それ以外に
も,新動向として,最先端システムLSI設計の課題-設計インテントの活用
-[STARC西口信行氏]の講演があった.

一般講演については,以下に概略を示す.
☆一般講演内容
 ○プロセス内計測・試験 9件
 ○故障解析・前処理/装置/手法 10件
 ○故障診断・解析/回路修正 3件
 ○故障診断アルゴリズム 4件
 ○故障診断システム/事例 6件
 ○故障診断・解析/装置 12件
 ○故障診断・解析/手法/システム 5件

 本年度の中心は,CD計測とTEMであった.プロセスが量産で65nm,開発で
45nm,研究で35nmと限界に近く微細化されているため,より高度な観測装置
を使用し物理的に観測をしないと製造することが難しくなってきている.実
際には寸法や形状を測定し評価することから始まるが,この位の単位の世界
では何でどのように測定するかが重要となる.

これを実現するために今回のシンポジウムで多く語られたのが,TEMであり,
その応用方法である3次元立体化(CTスキャンの様に何枚もの写真をコンピ
ュータを使って再構築,立体化する)でのCD計測であった.

また,そのための試料つくりにも,今までのような荒っぽい方法では,試料
そのものの変質が多く使えないため,刃物研ぎのように多段階で加工する方
法が主流となりつつある.電子的・光学的な解析も,より複雑度を増すデバ
イスに対して,各種の方法でアプローチするが,設計情報とのリンクが更に
重要になってきていることを痛感した.

3日間聞き通し,その範囲の広さとテーマの深さ,さらに発表の多さでさす
がにかなりの疲労を覚えた.これだけのシンポジウムを開催されている中前
先生始め学会の企画運営委員,事務局の方々には頭が下がる.

http://www-lsits.ist.osaka-u.ac.jp/

 (n)

---【最新技術動向】システムLSIワークショップ -----------------------
第11回システムLSIワークショップ(電子情報通信学会集積回路研究専門委
員会主催)が,11月19日から22日にかけ,北九州国際会議場にて開催された.
昨年の第10回の記念大会をも上回る329名の多数の参加者があった.

今年は,システムLSIの新たな展開の模索を目的として,「システムLSIの新
時代:未来を拓くヒトと技術」をテーマに,関連分野の最先端領域を切り拓
いておられる,魅力的なヒト(研究者)による講演が行われた.東京大学の
桜井貴康教授の基調講演を皮切りに,MEMSや医療エレクトロニクス・社会基
盤・組込みシステムとシステムLSI,また,様々なシステムLSI周辺技術関連
の招待講演など,幅広い範囲で,第一線の研究者による講演が行われた.

招待講演の1つとして,国立情報学研究所の米田友洋教授が「非同期回路設
計技術の現状」というテーマで話された.とても興味深いご講演であり,会
場から非同期回路のテストの難しさに関する質問があった.

イブニングパネルでは,デバイス,アプリケーション共に,近い将来の新し
い時代の到来が予言され,後半では,学生達へのLSI研究開発の面白さを伝
えるメッセージが語られた.今後のシステムLSI研究の成功のためには,夢
を共有した異分野の様々な人々が協力しあうことが重要であることが強調さ
れ,今後の発展的な展開を印象づけるワークショップとなっていたと思う.

http://icd.ac.isp.ne.jp/ja/workshop/

(三重大学 篠木 剛)


---【最新技術動向】デザインガイア2007報告 ------------------------
11月20-22日に,電子情報通信学会の4研究会と情報処理学会2研究会との共
催で,デザインガイア2007が北九州市で開催された.一般講演75件,ポスタ
セッション20件のほか,記念講演1件,同時開催のシステムLSIワークショッ
プとの共同企画6件の発表があった.

九州大安浦寛人氏によるフェロー記念講演は,「社会情報基盤と
Depandable VLSI」というタイトルで,電子マネーシステムを例に,ディペ
ンダブルなVLSIを設計するための技術について方向性を示された.またテス
ト容易化設計関連では,6件の一般講演があり,遅延故障テストやテスト時
電力低減などのテーマで討論が行われた.

http://www.ieice.org/~vld/

(某)


---【チュートリアル連載記事】 --------------------------------------
■  故障解析の基礎知識(第5回)  ■
この講座では故障解析に関するトピックを紹介している.少し間が空いてし
まったが,前回まではソフトウェアによる故障診断で用いる「故障モデル」,
「故障診断の基本原理」について紹介した.今回はソフトウェアによる故障
診断の結果の見方について紹介しよう.

故障診断の結果は,故障候補として挙げられた故障の動作が実際のテスタで
観測された動作とどれだけ一致するかで評価できる.前者を「候補動作」,
後者を「テスタ観測動作」と呼ぶことにする.テスタによる観測はスキャン
FFによる値の観測や入出力ピンによる値の観測で行われるので,これらの数
をカウントする.

図1に「候補動作」と「テスタ観測動作」の関係を示す.
http://www.silicontest.jp/mailmagazine/071126/fig1.htm

「テスタ観測動作」はテスタにおけるテスト結果で故障と観測された部分,
「候補動作」は故障モデルの動作を故障シミュレーションすると故障がテス
タまで伝搬して観測されるはずの部分を示す.「誤予測」は故障モデルでは
故障観測とされるが,実際にはテスタで故障が観測されない部分を示す.
「非予測」はテスタでは故障が観測されるが,故障モデルでは故障とされな
い部分を指す.「一致部」は両者が一致した部分である.例えば「誤予測」
は,故障個所で発生した中間電位が,途中の回路の論理閾値の影響で観測端
子まで伝搬しないケース等も考えられ,指摘故障個所や想定した故障モデル
が誤っていることを必ずしも示さない.実際の故障ではよく有る事とも言え
る.まあ証拠隠滅の類か.一方「非予測」は,仮定した故障以外が発生して
いることを示し,指摘自体が誤っている可能性も高いと思われる.いわゆる,
火のない所に煙は立たないという理屈である.一種のアリバイである.

実際の故障診断ツールではこれらの関係を点数に換算して出力する場合も多
い.「一致部」=「テスタ観測動作」=「候補動作」の場合が100点(満点)
で,指摘された候補点が真の故障の可能性が極めて高いことを示す.一方,
「誤予測」や「非予測」が多いと点数は下がるが,「誤予測」について減点
の度合いを軽くすることが多い.ツールが出した点数をただ見て判断するの
も良いが,以上に示したような内訳を見ると何が起きているかより良く知る
ことが出来よう.

故障診断の評価尺度としては,候補に含まれる候補箇所の数が少ないことも,
故障診断の後に行われる物理故障解析(PFA: Physical Failure Analysis)
を容易にするため重要である.故障候補数の逆数を故障分解能(resolution)
と定義する場合もあるが,論理的に等価な故障(等価故障)は1個と数えて
いる場合が多いので注意が必要である.出来るだけいろいろな可能性を考慮
した故障モデルが有効に思われるが,かえって真の故障以外の故障可能性を
除外出来なくなって指摘の数を増やす恐れもある.

故障候補が1個になると大成功に思えるが,必ずしもそうでない.1個の配線
でも数mmにもなることがある.こうした場合,例え1本の配線でも物理故障
解析は容易ではない.筆者は故障診断の結果は数でなく,指摘した配線の長
さで評価した方が現実的でないかと思っている.
(佐藤 康夫)


---【経済指標】-----------------------------------------------------
SEAJ BBレシオ 10月度:0.78
半導体製造装置協会から転載
http://www.seaj.or.jp/


編集後記 -----------------------------------------------------------
Bluetoothのマウスを購入したら電池を入れた状態でフタがちゃんと閉まら
ないので,修理に.一週間で戻ってきたのですが,なんと新品になっていま
した.改めて,品質管理の重要性を考えさせられる出来事でした.
(市野 憲一)


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