[2008-02-27]メールマガジン第10号

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STTメールマガジン  2008年2月27日号
発信元 シリコン・テスト・テクノロジーズ株式会社
http://www.silicontest.jp/
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テスト技術略語・ミニ解説集 http://www.silicontest.jp/abbreviations
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CDC6600:http://www.silicontest.jp/museum/
技術的には抜群であったが,IBM360のビジネス戦略に太刀打ちできなかった
Computer History Museum:http://www.computerhistory.org/
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--- 目次 -----------------------------------------------------------
●【ビジネスニュース】国内ファブレス中間決算
●【最新技術動向】DC研究会
●【チュートリアル連載記事】DFT技術講座(第7回)岩崎一彦
●【チュートリアル連載記事】故障解析技術講座(第7回)佐藤康夫
●【経済指標】SEAJ BBレシオ
●【編集後記】


---【ビジネスニュース】国内ファブレス中間決算 ----------------------
半導体産業新聞 第1776号 2008年2月6日発行
国内半導体ファブレスの07年度中間連結決算が掲載された.第1位メガチッ
プス:254.6億円,第2位トレックス・セミコンダクター:95.0億円,第3位
ザインエレクトロニクス:68.3億円,第4位アクセル:48.8億円,第5位リア
ルビジョン:11.2億円.詳しくは同新聞を参照されたい.ホームページは以
下の通りである.
http://www.semicon-news.co.jp/


---【最新技術動向】DC研究会 ----------------------------------------
2008年2月8日,東京都港区の機械振興会館において,電子情報通信学会ディ
ペンダブルコンピューティング研究会が開催された.例年,2月の研究会の
テーマはVLSI設計とテストとなっている.このため,本年も故障診断,スキ
ャンテスト,フォールトセキュア,上流テスト,テスト圧縮,アナログ・ば
らつき・電流テスト等に関する18件の発表があり,活発な議論がなされた.

"隣接信号線を考慮した動的なオープン故障に対する故障診断法"と題した愛
媛大,明治大,徳島大の共著による発表では,隣接信号線の信号変化を考慮
したオープン故障のモデルと,この故障モデルに対する故障診断法が提案さ
れた.また,暗号回路のような秘密情報を保持する回路のスキャンテストに
関して,奈良先端大および九州大からそれぞれ発表があった.

http://www.ieice.org/iss/dc/jpn/

(新井雅之)


---【チュートリアル連載記事】 --------------------------------------
■  DFTの基礎知識(第7回)  ■
スキャン設計の応用として境界スキャン(Boundary Scan)について説明す
る.境界スキャンの目的は基板および基板上の集積回路等をテストすること
である.ご存知の通り,パッケージや基板は高密度化しており,かつてのよ
うなイン・サーキット・テスト(針立て)が困難になってきている.解決の
一つの手段が境界スキャンである.

境界スキャンはIEEE/ANSI Standard 1149.1として標準化されている.当初,
JTAG(Joint Test Action Group)と呼ばれるグループで技術的検討がおこな
われていたので,今でも“ジェイタグ”と呼ばれることがある.

境界スキャンに対応した集積回路のブロック図を以下に示す.
http://www.silicontest.jp/mailmagazine/080227/fig1.htm

集積回路の周囲を境界スキャンレジスタが,ぐるりと取り囲んでいる.言い
換えると,基板上のLSIのそれぞれの信号ピンに任意の値をスキャン・イン
することができ,同時にピンへの値を取り込んで基板外にスキャン・アウト
することもできる.

次の5本の専用信号ピンを使用する. 
(1) TDI:テスト・データ入力
(2) TDO:テスト・データ出力
(3) TCK:テスト・クロック
(4) TMS:テスト・モード選択
(5) TRST:テスト・リセット(オプション)

TDIピンはスキャン・データを集積回路に入力するピンであり,TDOピンはス
キャン・データを集積回路から取り出す出力ピンである.TCKピンは境界ス
キャンに用いるクロック信号であり,TMSピンによってテスト・モードが選
択される.TRST信号はオプションであり,非同期の(強制的な)リセットを
実行する.

デバイスの内部には次のレジスタを実装する.
(1) デバイスIDレジスタ
(2) バイパス・レジスタ
(3) 命令レジスタ

デバイスIDレジスタには当該のデバイスの識別番号が格納され,TDIピンと
TDOピンを用いてアクセスされる.バイパス・レジスタは当該のデバイスの
境界スキャンをショートカットする場合に用いられる.命令レジスタには境
界スキャンに用いられる命令が格納され,TDIピンとTDOピンを用いてアクセ
スされる.境界スキャンでは次の命令が実装される.例えば,RUNBIST命令
でどのようなテストを実行するかは個々に設計しなければならない.

(1) BYPASS命令
(2) CLAMP命令(オプション)
(3) EXTEST命令
(4) HIGHZ命令(オプション)
(5) IDCODE命令
(6) INTEST命令(オプション)
(7) RUNBIST命令(オプション)
(8) SAMPLE/PRELOAD命令
(9) USERCODE命令

上記の信号ピンやレジスタはTAP(Test Access Port)コントローラによって
制御される.このコントローラ回路は16個の状態を有する順序回路である.
<以下次号に続く>

(岩崎一彦)

---【チュートリアル連載記事】 --------------------------------------
■  故障解析の基礎知識(第7回)  ■
解析装置による故障位置特定はさまざまな技術があり,大勢の人が取り組ん
でいる.9月号で紹介した「LSIテスティングシンポジウム」では,約50件の
発表のうち半数近くが故障位置特定に関するものだ.
http://www-lsits.ist.osaka-u.ac.jp/

解析装置による故障位置特定は次の特徴がある.

(1) 故障チップの何らかの加工を伴うことが多い
すなわちやり直しが困難な場合がある.故障動作による何らかの異常を解析
装置により観測する.通常,非破壊観測と破壊観測がある.非破壊観測は文
字通りチップの破壊を行わない手法だ.

それでもチップ上側からの観測時は,最近のLSIでは上層は電源層のことが
多いため,電源層を一部削って下層の信号層を観測することがある.あるい
は,近年多用されているチップ裏面からの観測では,裏面のシリコン基盤を
数十μmまで薄く削って観測し易くする.

破壊観測は邪魔な配線層を除去したり,配線を切断したり,観測ポイントの
ための引き出し等で積極的に加工を行う.狙った箇所が間違えているとやり
直しがきかない可能性も高い.何度も条件を変えてやり直せるソフトウェア
故障診断との大きな違いである.

(2) 装置は一般に高価であること
130,90,65nmと製造プロセスが進化するに伴い,さまざまな解析装置と技
術が開発されてきた.一台数億円するものも珍しくない(ソフトウェアはせ
いぜい1ライセンス数千万円と思われる).一部の大きなLSIベンダは別とし
て,なかなか装置を取りそろえるのは難しいことが多いと思われる.

(3) 解析能力が強力であること
ソフトウェアによる故障診断は便利であるがいろんな設計データを準備して
おく必要があり手間取ることも多い.またスキャン設計を行っていないので
適用が難しい場合もある.往々にして適用したい品種ほど問題があるもので
ある.

一方,解析装置による故障位置特定は多くのソフト的な準備はいらない(パ
ッケージを開封するとか,チップ裏面を削るとか,それはそれで手間ではあ
るが,設計手法に関する要求事項は少ない).テストパターンもなくても適
用可能な手法もある.

観測手段には欠陥を直接観測する手法,欠陥によって起きる発熱,発光,電
流異常等を視覚化して観測する手法等がある.次回からは各手法を紹介して
いこう.
(佐藤康夫)


---【経済指標】-----------------------------------------------------
SEAJ BBレシオ 1月度 0.91 2月20日午後4時掲載
半導体製造装置協会から転載:http://www.seaj.or.jp/
月次経過:http://www.silicontest.jp/mailmagazine/080227/fig2.htm


編集後記 -----------------------------------------------------------
確定申告のシーズンです.弊社は12月決算なので今月末が期限なのですが,
初決算ということもあり,本日なんとか提出できました.来年はもう少し余
裕もって望めればと思います.
(市野憲一)


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