[2008-07-30]メールマガジン第15号


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STTメールマガジン  2008年7月30日号
発信元 シリコン・テスト・テクノロジーズ株式会社
http://www.silicontest.jp/
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テスト技術略語・ミニ解説集 http://www.silicontest.jp/abbreviations
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並列コンピュータILLIAC IV:http://www.silicontest.jp/museum/
64個のプロセッシングエレメントから成る
Computer History Museum:http://www.computerhistory.org/
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--- 目次 -----------------------------------------------------------
●【ビジネスニュース】ベンチャー支援政策,電子材料,シバソク
●【最新技術動向】STARC,FTC研究会,ITCプログラム
●【図書紹介】半導体ベンチャー列伝
●【チュートリアル連載記事】DFT技術講座(第11回)岩崎一彦
●【チュートリアル連載記事】故障解析技術講座(第11回)佐藤康夫
●【経済指標】SEAJ BBレシオ
●【編集後記】

---【ビジネスニュース】ベンチャー支援ファンド ----------------------
財務省と経済産業省は,イノベーションの創出を目的として,官民共同出資
のベンチャー支援ファンド創設の検討を進めている.重点投資先は下記のと
おりである.

☆ 半導体エレクトロニクス
☆ ライフサイエンス
☆ 環境・エネルギー

詳しくは下記から6月10日の資料を参照されたい.
http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/zaito.htm


---【ビジネスニュース】07年電子材料ランキング ----------------------
半導体産業新聞 第1798号 2008年7月9日発行

半導体産業新聞による国内主要電子材料メーカ30社の2007年度業績が掲載さ
れた.多くの企業が増収増益を達成しており,全般に(第11位から第30位ま
でを含め)利益率が高い.

・順位:社名,売上高(億円),営業利益(億円),利益率
・第1位:信越化学工業,5681億円,1621億円,28.5%
・第2位:三井化学,5227億円,359億円,6.9%
・第3位:SUMCO,4771億円,1307億円,27.4%
・第4位:旭硝子,4686億円,1381億円,29.5%
・第5位:日東電工,4323億円,409億円,9.5%
・第6位:凸版印刷,3659億円,212億円,5.8%
・第7位:日立ハイテク,3506億円,35億円,1.0%
・第8位:大日本印刷,3223億円,198億円,6.2%
・第9位:日立化成工業,3142億円,457億円,14.5%
・第10位:帝人,3094億円,202億円,6.5%

詳しくは同新聞を参照されたい.ホームページは以下の通りである.
http://www.semicon-news.co.jp/


---【ビジネスニュース】シバソク・アライアンス ----------------------
半導体産業新聞 第1799号 2008年7月16日発行

シバソクなど5社は,リニアおよびミックスト信号デバイス向けテストサー
ビス拡充を目的として,シバソク・アプリケーション・アライアンス(SAS)
を発足させた.シバソクを窓口に,テストプログラムや測定回路の設計から
製造への移行を図る.

詳しくは同新聞を参照されたい.ホームページは以下の通りである.
http://www.semicon-news.co.jp/
シバソクニュース: http://www.shibasoku.co.jp/news/2008/080620.html


---【最新技術動向】STARCフォーラム/シンポジューム -----------------
2008年7月16日,同17日の2日間,STARCフォーラム/シンポジュームがパシ
フィコ横浜で開催された.参加者数は1000名に迫る勢いであり盛会であった.

従来,7月開催のSTARCフォーラムは主として産産官連携を,9月開催のSTARC
シンポジュームは主として産学連携を目指した会議であった.本年から統合
し規模を拡大した.従来9月開催のシンポジュームは計画されていない.

初日の基調講演は,経済産業省の星野岳穂氏によるものであり,下記のタイ
トルであった.
“我が国の半導体産業の競争力強化について”

日本政府として半導体産業は重要産業と位置付けており,技術開発能力と生
産拠点は確実に強化していく,という方針が説明された.日本の半導体技術
は世界に冠たるものであることを強調された上で,かつて甲子園で優勝した
からといって必ずしもそれがあるべき姿とは言えない,という例え話がおも
しろかった.

テスト技術に関連して下記の講演があり,いずれも盛況であった.

講演者:岡村芳雄氏(STARC)
“STARCADフローの完成を目指して~選択プログラム開発状況~”
低電力設計,微細化・ばらつき増大,不良解析について活動報告がおこなわ
れた.

講演者:真島敏幸(ルネサステクノロジ)
“最新LSI不良解析技術と今後の展望-半導体プロセス、設計技術、ととも
に進化。今後は?”
メモリおよびロジック部の故障解析の最新動向が開設された.特にロジック
部の故障解析ではDFTを含む設計データの活用が示された.

テスト技術に関連して下記のポスター発表があった.

A.	学生によるポスター発表
A-5: Multi-cycle False Path Identification at RTL(奈良先端大)
A-6: 機能等価性情報を用いたRTL-GLパスマッピングの一手法(奈良先端大)

B: 共同研究最終年度テーマポスター発表
B-8: 大規模LSIの上流からのフォールスパス判定とテスト不要化合成に関す
る研究(奈良先端大)
B-17: テストチップの製作とその解析に基づく製造容易化設計のための新故
障モデルとそのテスト・故障診断に関する研究(愛媛大)

C: STARCによるポスター発表
C-5: STARCAD-Clouseau V2.0の最新設計技術と標準化技術(開発第2部)

http://www.starc.jp/
(某)


---【最新技術動向】FTC研究会 ---------------------------------------
第59回FTC研究会が,2008年7月17日から20日まで,石川県羽咋郡,いこいの
村能登半島で開催された.63名が参加し,ランダムテスト・故障シミュレー
ション,ATPG,テスタビリティ,テスト品質・ディペンダビリティ,ATE・
DFT・コンピュータの各セッションにおいて計11件の発表が行われた.また,
初日には,富士通ITプロダクツ社の工場見学および2件の講演からなる特別
セッションが開催された.

"IEC/TC56(ディペンダビリティ)の活動報告"と題した矢野弓之介氏の発表
では,IEC(国際電気標準会議)とその専門委員会の構成や規格の体系,国内
規格(JIS)化の流れなどについて紹介され,人的資源の不足や高齢化が問題
となっているとの報告があった.

また,恒例の山田昭彦氏(CS&メディア研)の歴史シリーズとして"コンピュー
タアーキテクチャ変遷とハードウェアテクノロジ"と題した発表があった.
主に第3世代までのコンピュータを対象として,そのアーキテクチャが歴史
的経緯とともに紹介された.

第60回となる次回は,2009年1月29-31日に山形県の蔵王で開催される予定で
ある.
(新井雅之)


---【最新技術動向】ITC2008プログラム -------------------------------
http://www.itctestweek.org/

ITC(International Test Conference)が本年10月26日から同31日まで,カ
リフォルニア州サンタクララ・コンベンションセンタで開催される.上記
URLでプログラムが公開されている.

初日の基調講演はCisco社のMike Lyndon氏によるものであり,タイトルは下
記のとおりである.
“Managing Test in the End-to-End, Mega Supply Chain”

テクニカルセッション(35セッション)では,合計112件の講演がおこなわれ
る.日本からは下記5社から講演の予定である.残念ながら日本の大学から
の講演は見当たらないようだ.

・アドバンテスト
・ヴェリジィ
・東芝
・横河電機
・ルネサステクノロジ

このほか下記が企画されている.

・招待講演:3件
・チュートリアル:11件
・パネル:6件
・インダストリアル実践:4件
・エンベディッド・チュートリアル:2件
・チュートリアル:4件
・展示:約90社

チュートリアル3はエレベータトーク(5分間プレゼンテーション)であり,
首都大からの講演が予定されている.

併設ワークショップは下記3件である.
・ATE Vision: Automated Test Equipment Vision 2020
http://atevision.tttc-events.org/
・DRV: Design for Reliability and Variability
・D3T: Defect- and Data-driven Testing
http://d3t.tttc-events.org/

D3TはDBTから会議名称を変更し,アダプティブテストやアウトライア選別に
守備範囲を広げている.
(岩崎一彦)


---【図書紹介】半導体ベンチャー列伝 --------------------------------
著者:泉谷渉,津村明宏
書名:半導体ベンチャー列伝
出版社:東洋経済新報社,1700円+税

日本の半導体ベンチャー会社を代表する31社について,その波乱万丈の半生
が活き活きと記述されている.それぞれ,断崖絶壁の淵に立たされたり,奈
落の底に落とされたり,そこから何とかしてきた人生に感動せざるをえない.
まだまだ日本も頑張れるという気持ちにさせ,元気の源となる書籍である.

例えば,下記社長が取り上げられている.

☆ザインエレクトロニクス 飯塚哲哉社長
☆インターテック 佐藤和樹社長

現在大企業に勤めている方々,ベンチャーで頑張っておられる方々,あるい
は学生の方々が読まれてもそれぞれ楽しめる内容である.

アマゾンでの購入(1500円以上送料無料)は下記を参照されたい.
http://www.silicontest.jp/
(岩崎一彦)


---【チュートリアル連載記事】 --------------------------------------
■  DFTの基礎知識(第11回)  ■

今回は用語の意味について説明する.

テスト技術分野では,学会や協会を主体に共通語を話そうという意味で,言
葉の統一を図る努力がおこなわれている.例えば,日本半導体製造装置協会
(SEAJ)では製造装置とその技術に関する用語集を刊行している.
著者:日本半導体製造装置協会
書名:半導体製造装置用語辞典
出版社:日刊工業新聞社
http://www.silicontest.jp/

ここでは,欠陥,故障,誤りの相違について説明する.図1を参照されたい.
http://www.silicontest.jp/mailmagazine/080730/fig1.htm

欠陥は物理的な原因を表す.例えば,信号線間あるいは信号線と電源線間の
ブリッジやオープンである.図1では,NANDゲートG1の出力と電源間にブリ
ッジ(短絡)が生じている.

故障は正常回路と異なる振舞いを言う.例えば,図1で示されるブリッジは,
その抵抗値が小さければNANDゲートの出力に1縮退故障を生じる.抵抗値が
非常に大きければ回路の動作に影響を与えない.NANDゲート内のNMOSトラン
ジスタのオン抵抗と同じオーダの抵抗値であると,立下り遅延故障を引き起
こす.

誤りは論理回路の出力に現れる故障の影響を言う.例えば,図1のブリッジ
が1縮退故障を引き起こした場合,正常時には出力0であるが,故障時には出
力1となる.入力の片方または両方が0のとき,NANDゲートの出力は正常時も
故障時も0となり誤りは生じない.NANDゲートの出力に生じた誤りは後段の
ゲートでマスクされる可能性がある.

ブリッジが引き起こす遅延故障についても同様に考えることができる.すな
わち,入力(2パターンが必要)によっては誤りが生じる場合と生じない場
合があり,誤りが生じた場合でも後段でマスクされる可能性がある.

このように,生じうる故障に対してこれを顕在化させ,誤りを出力まで伝搬
させることが論理回路のテストである.また,そのようなテストパターンを
求めるアルゴリズムがATPG(Automatic Test Pattern Generation)と呼ば
れる.
(岩崎一彦)


---【チュートリアル連載記事】 --------------------------------------
■  故障解析の基礎知識(第11回)  ■

今回は,先回(第10回)のOBIRCH技術の紹介に引き続き,故障を【診る】の
代表例としてSDL法(Soft Defect Localization)を紹介しよう.
第8回で紹介した【診る】の技術を再掲載するので思い出していただきたい.

――――――――――――――――――――――――――――――――――
故障LSIにエネルギーを与え応答の異常を観測する.故障箇所は何らかの形
でエネルギーを与えると正常箇所とは異なる反応を示すことが多い.またマ
ージナルな故障は,正常動作から異常動作に変化したり,その逆に,異常動
作から正常動作に変化したりする.
(1) IR-OBIRCH法(1.3umレーザによる電流/電圧応答変化を観測)
(2) SDL法(Soft Defect Localization)(1.3umレーザ加熱による応答を
LSIテスタで観測)
(3) LVP法(Laser Voltage Probing)(1.06umレーザによる電流/電圧応答
変化を観測)
(4) LADA(Laser Assisted Device Alternation)(1.06umレーザ加熱によ
る応答をLSIテスタで観測)
――――――――――――――――――――――――――――――――――

(1)(3)は類似の方式を取る技術だが,レーザの波長が異なることにより,観
測出来る主な欠陥が異なる.詳細は述べないが(3)がトランジスタのp-n接合
部での光吸収により発生する光電流の効果に着目し,主にトランジスタ部の
解析に用いられるのに対し,(1)は配線部の解析にも有効である.また,(1)
と(2),および(3)と(4)は対応する関係にある.(2)と(4)は観測技術とLSIテ
スタを有機的に接続することで動的な観測を可能にしている.

(2)と(4)の考え方はほとんど同じだが,以降SDLについて述べる.電源電圧
や動作周波数に関してマージナルな故障チップは,欠陥の箇所をレーザで加
熱すると故障動作が変化する場合がある.たとえば銅配線プロセスでよく問
題となるビアのボイドは,加熱するとオープン状態から導通状態に変化する
ことがある.このような場合に,IR-OBIRCH装置とLSIテスタを接続し,欠陥
箇所にレーザを照射しながらLSIテストを行なうと,テスト結果がフェール
状態(ビアのオープン故障による)からパス状態(ビアの導通状態)へ変化
する.

実際にはレーザの走査を行いながら各照射ポイントに対してLSIテストを行
なっていく.テスト結果がパスからフェール,あるいはフェールからパスに
変化する照射点をこれにより見つける.
実用化にあたっては,LSIテストをできるだけ電源電圧や動作周波数のマー
ジナルな条件で行なう,レーザ走査に時間がかかるので可能なら欠陥箇所の
探索範囲を絞り込んでから行なう,等の工夫も必要とされる.故障診断の結
果があれば探索範囲絞込みに活用できる.

一つの技術を極めても,隣の技術と組合すことで新たな世界が拓けることが
ある.SDL技術はまさにその成功例と言えよう!技術そのものはまだ新しく,
これからますます発展することが期待される.
これまで故障診断の基本からハードウェアを用いた故障解析まで順を追って
説明してきた.一通りの説明を終えたので,次回からは最近のトピックスに
ついて触れることにする.乞うご期待!
(佐藤康夫)


---【経済指標】-----------------------------------------------------
SEAJ BBレシオ 6月度 0.99
半導体製造装置協会から転載:http://www.seaj.or.jp/
月次経過:http://www.silicontest.jp/mailmagazine/080730/fig2.htm


編集後記 -----------------------------------------------------------
国立博物館の特別展[対決-巨匠たちの日本美術]を見て来ました.数百年後
の人間を感動させられる芸術が生み出されたことにもまた感動しました.せ
めて数十年残る技術を開発してみたいものです.
(新井雅之)

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