[2008-12-25]メールマガジン第20号


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STTメールマガジン  2008年12月25日号
発信元 シリコン・テスト・テクノロジーズ株式会社
http://www.silicontest.jp/
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テスト技術略語・ミニ解説集 http://www.silicontest.jp/abbreviations
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--- 目次 -----------------------------------------------------------
●【ビジネスニュース】ヴェリジー社長インタビュー
●【ビジネスニュース】ガートナー社シリコン市場予測
●【最新技術動向】WRTLT,セミコン・ジャパン,D2T, DC研究会
●【図書紹介】遅延テスト
●【チュートリアル連載記事】故障解析技術講座(第13回)佐藤康夫
●【経済指標】SEAJ BBレシオ
●【編集後記】


---【ビジネスニュース】ヴェリジー社長インタビュー ------------------
半導体産業新聞 第1819号 2008年12月3日発行

ヴェリジー(株)佐藤憲二社長のインタビュー記事が掲載された.日本法人
単独の業績は規定により公表できないとしているが,同社の事業の見通しに
ついて述べている.SoCテスタは堅調であり,その理由はV93000シリーズの
性能とローエンド対応が功を奏しているとしている.また,メモリテスタ
V6000シリーズの投入についても言及し,良い感触を得ているとのことであ
る.

詳しくは同新聞を参照されたい.ホームページは以下の通りである.
http://www.semicon-news.co.jp/


---【ビジネスニュース】ガートナー社半導体市場予測 ------------------
半導体産業新聞 第1819号 2008年12月3日発行
半導体産業新聞 第1821号 2008年12月17日発行

ガートナージャパン(株)の小川貴史氏による,今後の半導体市場を予測し
た記事が掲載された.1819号は半導体産業全般の,1921号はシリコンウェハ
に関する分析と今後の展望であり,ほぼ共通した認識を示している.

半導体在庫指数とファブ平均稼働率の推移,半導体設備投資及び製造装置市
場の予測推移,200mmウェーハ需要推移シミュレーション等を基に分析して
いる.それによると,09年は複合型ダウンサイクルを免れないが,10年頃に
はリバウンドと緩やかな回復基調,11年から本格的な回復を予想している.

同時に,ビリオン・ドル・クラブ(10億ドル以上の設備投資を行った企業)
の数が07年から大きく減少していることを指摘し,厳しい投資環境に応じら
れる企業体力についても言及している.新たな投資環境に即した再編を経な
がらの成長を予想している.

詳しくは同新聞を参照されたい.ホームページは以下の通りである.
http://www.semicon-news.co.jp/


---【最新技術動向】WRTLT -------------------------------------------
http://aries3a.cse.kyutech.ac.jp/wrtlt08/

WRTLT(Workshop on RTL and High-Level Test)が,ATS(Asian Test 
Symposium)に引き続き,11月27日と28日に開催された.会場となった大学共
同利用施設ACU(Advanced Center for Universities)はATSの会場(京王プラ
ザホテル札幌)から徒歩約5分に位置する.

本年のテーマは下記の通りであった.
Power/Thermal-Aware Testing

テーマ設定がタイムリーであったこともあり,参加者は過去最高の69名であ
った.初日の基調講演,招待講演,パネルは次の通りである.

・基調講演
Erik Larsson, "Power-Aware System-on-Chip Testing"
・招待講演
Patrick Girard, "Power: The New Dimension of Test"
・パネル:"Roads to Power-Safe LSI Testing"
オーガナイザ: STARC 畠山一実氏
モデレータ: 九工大 温暁青教授
パネリスト:
米国コネチカット大 M. Tehranipoor教授
インドテキサスインスツルメンツ社 C. P. Ravikumar氏
ルネサステクノロジ社 石橋孝一郎氏
米国ケイデンス社 K. Chakravadhanula氏

登壇者はいずれもローパワーテストに関する想いを多々持っているようであ
り,持ち時間を大幅に超える熱いパネルとなった.

上記のほか,23件の講演がおこなわれ,2日目の夕方まで熱心な討論がおこ
なわれた.第10回WRTLTは,2009年11月27日と同28日に香港で開催される.

(岩崎一彦)


---【最新技術動向】セミコン・ジャパン ------------------------------
http://www.semiconjapan.org/

セミコン・ジャパンが2008年12月3日から同5日まで幕張メッセで開催された.
上記ホームページによると,22カ国の1477社(昨年22カ国,1548社)から出
展があった. 3日間の来場者は関係者を含め下記の通りであり,昨年実績を
下回った.

延べ97,000名(昨年110,000名)
実数51,387名(昨年60,508名)
セミナ受講者2,438名(昨年2,684名)

会場はまずまずの人出であり,それほどの減少のように感じられなかった.
しかし,当日配布の資料を見ると,欠番となっているブース番号が約20件あ
った.セミコン・ジャパンではブース申込時に使用料を支払うため,出展を
キャンセルしても返金は受けられない.それでも,出展を取りやめる企業が
続出したようである.

半導体産業新聞(第1819号2008年12月3日発行)にセミコン・ジャパンの特
集号が組まれており,業界動向,装置,ツールの情報が満載されている.

(岩崎一彦)


---【最新技術動向】D2Tシンポジウム ---------------------------------
http://www.vdec.u-tokyo.ac.jp/d2t/D2Tsymposium2008.html

2008年12月16日,東京大学構内武田ホールにおいて,東京大学VDEC D2Tシン
ポジウム2008が開催された.本シンポジウムは,アドバンテストによるD2T 
(Design to Test)寄附研究部門の設立1周年を記念したもので,設立記念の
昨年に引き続き2回目の開催となる.

寄附研究部門の客員教授・研究員であるK. T. Chen教授,小松聡准教授,
G. Fey准教授,古川靖夫研究員による研究報告の他,下記の招待講演が行わ
れた.

・Built-In Soft Error Resilience for Robust System Design
   S. Mitra教授 (米Stanford大)
・High Quality Delay Testing for Logic Circuits
   梶原誠司教授(九工大)
・The Quest for Wireless Testing and the HOY System
   C. -W. Wu教授(台湾 ITRI(工業技術研究院))
・A Test Solution for Low Power Design
   相京隆氏 (STARC)
・Test and Reliability of Nanoscale Electronic Systems: 
Next-Generation Solutions for Next-Generation
   B. Becker教授 (独Freiburg大)

疑似機能テスト,微小遅延やブリッジ/オープン故障モデル,ローパワー回
路に対するテスト,テスト回路を応用した耐ソフトエラー回路など,研究報
告および招待講演のいずれにおいても,ナノスケール世代のデバイスに向け
たテストおよび高信頼化手法に関する興味深い議論が展開された.

(新井雅之)


---【最新技術動向】ディペンダブルコンピューティング研究会 ----------

電子情報通信学会のディペンダブルコンピューティング研究会が,2008年12
月12日(金)に山口県萩市のサンライフ萩で開催された.

議題は「安全性および一般」で,約20名の参加者があった.発表では,9件
の一般論文

1. 光結合を用いたフェールセーフ論理ゲート
2. 故障の許容性に基づく閾値テスト生成のための回路モデル
3. 耐故障プロセッサ評価モデルの解析について
4. 系再構成機能を適用した分散制御システムの実装
5. インターネット利用システムにおけるIntegrityの定量的評価
6. 自動車制御システムのエラーモデル記述による安全性分析手法
7. 鉄道信号装置のアベイラビリティ向上策に関する一検討
8. RAMS指標による鉄道信号システム構成の検討手法
9. 鉄道信号装置のリスク評価法の検討

があり,それぞれに活発な討論が行われた.とりわけ,5. の「Intergrity 
の定量的評価」には,ディペンダビリティの尺度に関する新しい試みとして
高い関心が寄せられた.今後の研究の展開が注目される.

次回は「VLSI設計とテストおよび一般」を議題として,2009年2月16日(月)
に機械振興会館で開催される予定.

(福本 聡)


---【図書紹介】遅延テスト ------------------------------------------
著者:Mohammad Tehranipoor and Nisar Ahmed
書名:Nanometer Technology Designs: High-quality Delay Tests
出版社:Springer

微細化された半導体プロセスにおいて様々な欠陥が生じることが知られてお
り,これらの製造不良の多くは遅延故障として観測される.

本書は下記のように12章から構成されている.前半部分は従来からの遅延故
障テスト手法に関するものである.後半部分は,微小遅延(7章),IRドロ
ップ(8章,9章),電源ノイズ(10章),クロストーク(11章),インター
コネクト(12章)を対象としており,おそらく今後の技術課題となると予想
される.

書籍としてまとめられているので,最新の研究成果までを含んでいるわけで
はないが,遅延テストの分野での先端技術開発の参考書として適している.

1. Introduction
2. At-Speed Test Challenges for Nanometer Technology Designs
3. Local At-Speed Scan Enable Generation Using Low-Cost Testers
4. Enhanced Launch-Off-Capture
5. Hybrid Scan-Based Transition Delay Test
6. Avoiding Functionally Untestable Faults
7. Screening Small Delay Defects
8. Faster-Than-At-Speed Test Considering IR-drop Effects
9. IR-drop Tolerant At-Speed Test Pattern Generation
10. Pattern Generation for Power Supply Noise Analysis
11. Delay Fault Testing in Presence of Maximum Crosstalk
12. Testing SoC Interconnects for Signal Integrity

著者の一人のTehranipoor氏は,現在コネチカット大学のAssistant 
Professorであり,WRTLT2008のパネリストでもある.

アマゾンでの購入(1500円以上送料無料)は下記を参照されたい.
http://www.silicontest.jp/
(岩崎一彦)


---【チュートリアル連載記事】 --------------------------------------
■  故障解析の基礎知識(第13回)  ■

~新しい故障診断の手法~

前回が8月27日号だったので夏の終わり,今はもう冬,ずいぶん経ってしま
ったというか,時の経つ速さに驚く今日この頃です(年のせい?).

この間,テスト関連の大きな国際会議としてInternational Test 
ConferenceやAsian Test Symposiumがあったのは,本メルマガでも紹介され
ているとおりである.故障診断についても面白い発表がいくつかあった.例
えば,オープン故障やディレイ故障など,従来の故障モデルでうまく行かな
いケースを扱う発表があり,実用化が進んでいると思われる.今回は,これ
らにも多少関係するが,2005年に福岡で開催されたAsian Test 
Symposium2005で筆者らが発表した「Defect Diagnosis」について少し話し
てみたい.

従来の故障診断手法は最初に故障モデルありきであったような気がする(第
2回と第3回で紹介した).故障モデルは回路の故障の論理的動作を記述した
もので,特定の条件で誤った論理値を取る.テスト結果とよく一致する故障
モデルと候補位置を調べるのが一般的な故障診断の手法であった.縮退故障
モデルやブリッジ故障モデルなどではこのアプローチがそれなりにうまく活
躍してきたと言えよう.

しかし,半導体製造プロセスが微細化へ進むにつれ,このアプローチだけで
はうまく行かないケースも増えてきたように思う.従来アプローチだと何と
か新しい故障モデルを探そうとするところだが,果たしてそれで良いのだろ
うか?「Defect Diagnosis」では,故障の原因はトランジスタ回路における
抵抗や容量の異常と考える.例えばオープン故障は,配線の途中に余分な抵
抗が生じたもので,抵抗値がすごく大きいと完全オープン故障と呼ばれるい
わゆる断線状態となる.

http://www.silicontest.jp/mailmagazine/070907/open.htm

抵抗値が中くらいだと,回路の遅延故障となる.抵抗値がすごく小さいと通
常のテストで見つけるのは困難となるが,LSI出荷後に信頼性不良となる可
能性を秘めている.

このように考えると,すべての物理的故障は表現可能で,もし抵抗や容量の
値が分かっているとすれば,回路シミュレーションでその動作は確認できる
筈である.しかし残念ながら,そうした値は事前に分からないし,正常回路
のデバイスパラメータですら製造変動を考えると正確には分からないと言え
る.図のオープン故障だと断線したノードの電位は,ノードに残っている電
荷量や,隣接ノードの電位および容量の値で決まってくる.

ただ故障とはそもそもこういうもので,論理的な故障モデルのように,故障
回路の論理的状態で値がすべて決まるものではない.テストの結果が正しい
から回路は正常とも言えず,たまたま故障回路の値が正常回路の値と一致し
たにすぎない.このように考えると故障の正体が見えてくる.次回は新しい
故障診断の方法論を述べよう.

では良いお年を.

(佐藤 康夫)


---【経済指標】-----------------------------------------------------
SEAJ BBレシオ 11月度 0.75
半導体製造装置協会から転載:http://www.seaj.or.jp/
月次経過:http://www.silicontest.jp/mailmagazine/081225/fig1.htm


編集後記 -----------------------------------------------------------
冷たい風が身にしみる今日この頃です.
せめて気分だけでも,カラ元気で,おいしい日本酒をいかがでしょう.
http://www.shizuoka-sake.jp/report/west/haginokura_1.html
CEOの萩原吉宗氏は元上司です.
2009年が皆様方によって良い年でありますようにお祈りします.良いお年を
お迎えください.
(岩崎一彦)

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