[2009-07-30] D&Tニュース 第27号


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
月刊ディペンダビリティ&テスト(D&T)ニュース  2009年7月30日号
発信元 シリコン・テスト・テクノロジーズ株式会社
http://www.silicontest.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
テスト技術略語・ミニ解説集 http://www.silicontest.jp/abbreviations
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

--- 目次 -----------------------------------------------------------
●【ビジネスニュース】テスティング業界の曲がり角
●【ビジネスニュース】世界ファブレス,電子材料メーカ
●【最新技術動向】FTC研究会
●【図書紹介】LSIテスティングハンドブック
●【チュートリアル連載記事】DFT技術講座(第17回)岩崎一彦
●【経済指標】SEAJ BBレシオ
●【編集後記】


---【ビジネスニュース】テスティング業界の曲がり角 ------------------
半導体産業新聞 第1848号 2009年7月15日発行
半導体産業新聞 第1849号 2009年7月22日発行

テスティング業界の曲がり角と題する連載記事が掲載されている.連載の目
的は以下の通りである.“テスト業界はこの大不況を機にどう変わっていく
のか.本連載では,テスティング業界を取り巻く事業環境を取材し,その将
来像をレポートする.”

第1回と第2回についてその概要を紹介する.

第1回:不況でテストコスト削減に拍車
まず,テストコストが年率20%から30%急増していることを指摘し,テストコ
スト削減が半導体業界の大きな課題であると述べている.当面の対策として,
デバイスメーカがATEへの設備投資を見送っており,ATEメーカの業績が低迷
していることを説明している.

テスト工程への設備投資は前工程やパッケージに比べて優先順位が低いと予
想し,本格的回復は数年先であるとの見通しを示している.テストコスト削
減の有効な手法として,DFT(Design For Testability:テスト容易化設計
法)やBIST(Built-In Self-Test:組込み自己テスト)技術に期待が寄せら
れているとしている.

第2回:フラッシュではBIST一般化
DFTおよびBISTに関して技術的な解説を加えている.特に,メモリに対して
BISTが実用化されているとしている.ロジックおよびアナログに対しては,
現状ではBISTが浸透しているとは言えない段階としている.

技術的な対応とは別に,テスト工程をアウトソーシングする動きも見られる.
すなわち,単にATE工程の肩代わりではなく,試作や開発の一部を担う方向
である.テラプローブ社九州事業所の外観写真が掲載されている.また,プ
ローブカードについても言及されている.

詳しくは同新聞を参照されたい.ホームページは以下の通りである.
http://www.semicon-news.co.jp/


---【ビジネスニュース】世界半導体ファブレス ------------------------
半導体産業新聞 第1846号 2009年7月1日発行

半導体産業新聞による世界半導体ファブレス8社の最近の業績推移が掲載さ
れた.現在の不況下でもしぶとさを発揮している.高額な設備投資が必要な
いこともその一因と指摘されている.データの一部を以下に示す.

第1位 クアルコム:2008年1~12月期売上高6,477M$,営業損益1,531M$
第2位 ブロードコム:4,658M$,172M$
第3位 エヌビディア:3,425M$,▲71M$
第4位 マーベル:2,951M$,165M$
第5位 メディアテック:2,876M$,710M$
第6位 LSI:2,677M$,▲596M$
第7位 ザイリンクス:1,906M$,468M$
第8位 アルテラ:1,367M$,404M$

詳しくは同新聞を参照されたい.ホームページは以下の通りである.
http://www.semicon-news.co.jp/


---【ビジネスニュース】国内電子材料メーカ業績 ----------------------
半導体産業新聞 第1847号 2009年7月8日発行

半導体産業新聞による2008年度の国内電子材料メーカの業績が掲載された.
売上高は前年度比18%減であったが,全体では利益を確保して電子材料王国
の強さを見せつけたとしている.30社の状況が詳しく示されているが,紙面
の都合によりデータの一部を以下に示す.

第1位 信越化学工業:売上高4,699億円,営業利益1,122億円
第2位 旭硝子:3,371億円,962億円
第3位 三菱ケミカル:3,347億円,48億円
第4位 SUMCO:3,181億円,▲109億円
第5位 エア・ウォーター:3,169億円,197億円
第6位 日東電工:3,144億円,▲9億円
第7位 住友化学:3,107億円,▲10億円
第8位 岩谷産業:2,846億円,106億円
第9位 凸版印刷:2,822億円,▲80億円
第10位 日本電気硝子:2,741億円,746億円
第11位 帝人:2,677億円,2億円
第12位 大日本印刷:2,560億円,26億円
第13位 大陽日酸:2,534億円,-
第14位 日立化成工業:2,519億円,172億円
第15位 住友金属鉱山:1,879億円,▲102億円

詳しくは同新聞を参照されたい.ホームページは以下の通りである.
http://www.semicon-news.co.jp/


---【最新技術動向】FTC研究会 ---------------------------------------

第61回FTC研究会が,2009年7月16日から18日まで,三重県多気郡大台町,奥
伊勢フォレストピアで開催された.総参加者数は49名で,大学41名,企業6
名,その他2名という内訳.以下の5セッションで計12件の発表が行われた.

セッション1: ディペンダビリティ
セッション2: 遅延故障テスト
セッション3: DFT, FTCの歴史
特別セッション: 非同期回路の設計とテスト
セッション4: テスト品質

セッション3では,樹下行三前会長によって「FTC研究会60回の記録」と題し
た発表があった.FTC研究会発足の経緯や60回分の開催データの整理など,
興味深い話題が紹介された.

また,特別セッションでは,東大の今井雅助教によって非同期式設計技術の
基礎が解説された後,国情研の米田友洋教授によって非同期式パイプライン
と,非同期式回路のディペンダビリティ応用に関する紹介があった.さらに,
奈良先端大の大竹哲史助教から,最新の非同期式回路のテスト技術について
の解説があり,セッションが締め括られた.

次回の第62回は,2010年1月21-23日に岡山県で開催される予定.

(福本 聡)


---【図書紹介】LSIテスティングハンドブック -------------------------

著者: LSIテスティング学会[編]
書名: LSIテスティングハンドブック
出版社: オーム社

第1編 LSI製造工程と検査・解析
第2編 歩留り解析
第3編 故障解析
第4編 ツールの原理

VLSIのテストおよび故障解析全般にわたり詳しく記述されている.図面や写
真も多く掲載されており,分かりやすい内容となっている.総勢約100名に
よる分担であるが,統一された内容である.

テストおよび故障解析分野の技術進歩は正に日進月歩である.技術の流れを
追ってさらには先取りするためには,最新技術だけでなく技術の原理を理解
することも重要である.この意味で本ハンドブックの第4編は装置の物理的
原理を説明しており,永くこの分野の参考書になると思われる.第4編の各
章は以下の通りである.

第1章     光
第2章     X線
第3章     電子線
第4章     イオン
第5章     プローブ顕微鏡(SPM)
第6章     その他

アマゾンでの購入(1500円以上送料無料)は下記を参照されたい.
http://www.silicontest.jp/

(岩崎一彦)


---【チュートリアル連載記事】 --------------------------------------
■  DFT技術講座(第16回)  ■

市販ツールにおいて,テストパターン生成(ATPG: Automatic Test 
Pattern Generation)を高速化する様々な手法が用いられている.学習
(Learning)と呼ばれるステップがその役割の一部を担っている.

下記に示すように2個のNANDゲートと1個のANDゲートから成る論理回路を例
題とする.
http://www.silicontest.jp/mailmagazine/090730/fig2.htm

このとき,以下の関係が成り立つ.
B = 0ならば,Y = 0

上記の対偶をとると,以下のように表される.
Y = 1ならば,B = 1

実際,出力Yをハイレベルにするためには,入力Bはハイレベルでなければな
らない.上記の回路が被テスト回路の一部として含まれることは十分にあり
得る.ATPGの途中でY = 1となることも考えられる.このとき,B = 0と設定
できれば,考慮すべき場合の数を減少させることができATPGの高速化につな
がる.

この手法は含意(Implication)と呼ばれ,SOCRATESで提案された手法であ
る.

下記は第2の例である.出力Yに生じた1縮退故障の検出を考える.
http://www.silicontest.jp/mailmagazine/090730/fig3.htm

ゲートG3の3個の入力は全て1でなければならない.結局,入力(A, B, C, 
D) = (1, 1, 0, 1)が得られる.

当たり前のように思われるが,それ以前のアルゴリズム(例えばPODEM)で
は,信号Eに1を設定し,更に入力(B, C)に対して,(0, 0)(0, 1)(1, 0)を
順次設定して処理を進めていた.このため多くのバックトラックが発生し,
長大な時間を要していた.

この手法はFAN(FANout-oriented algorithm)で提案された手法の一部であ
る.FANは再収斂を含むような複雑な論理回路に対して有効な手法を多く提
案している.

上記のようなルールをより多く見つけることがATPGにおける学習ステップで
ある.しかし,学習ばかりであっても効果的とは言えない.パターン生成ス
テップとのバランスが重要である.

(岩崎一彦)


---【経済指標】-----------------------------------------------------
SEAJ BBレシオ 6月度:1.27
半導体製造装置協会から転載:http://www.seaj.or.jp/
月次経過:http://www.silicontest.jp/bbratio.htm


編集後記 -----------------------------------------------------------
夏の甲子園の地方大会が最終段階となっています.
私の出身高校は兵庫県大会の3回戦まで進出しました.
よく頑張ったと思います.
http://www2.asahi.com/koshien/
(岩崎一彦)

◇◆当サービスのご利用に当たって◆◇--------------------------------
★このメールは送信専用メール・アドレスから配信されています.
◇このままご返信いただいてもお答えできませんので下記にご連絡下さい.
★メールマガジン申込:subscribe@silicontest.jp
★メールマガジン停止:unsubscribe@silicontest.jp
★メールマガジン送付先変更:changeaddress@silicontest.jp
★メールマガジン全般:editor@silicontest.jp
--------------------------------------------------------------------
Copyright(C) Silicon Test Technologies社,2007
掲載記事の無断転載を禁じます.
お知り合いの方への転送・紹介は自由です


			
会社概要-ACCESS-ご意見・ご要望